81歳の風俗嬢

 某スポーツ紙の記事用に、正確に数えたことはないけど、風俗嬢をおそらくもう3000

人以上は、取材しているかも知れない。高齢の風俗嬢もかなり取材している。

 風俗嬢がまだ30代、40代の時に取材して、もちろんもう辞めてしまった人も多いけど、

まだ頑張ってやっている人もいる。というより、他に働く寄辺もなし、年金もなしとい

う人が少なからずいて、ずっと未だに仕事に携わっているのだ。だから、70代、70代後

半ぐらいの風俗嬢はかなりいるのだ。これから先も、彼女たちの多くは、身体がもつ限

りこの仕事を続けて行かざるを得ないのだろう。多分、もう少しすれば、80代の風俗嬢

が珍しくなくなってくるのかも知れない。

 風俗嬢も高齢化していっているけど、以前は80代の風俗嬢となるとまだ珍しかった。

懇意にしていたライターから聞いた話では、80代の風俗嬢の取材をしたことがあって、

そこそこ需要はあったと聞いていた。その彼女、上下総入れ歯で、入れ歯を外しての

フェラがウリだったとのこと。普通のフェラよりいいって、マニアックな客が指名を

していたとのこと。

 その話を聞いてよりずっと後のことになるけど、私も、一人だけ、81歳という風俗

嬢を取材したことがある。鶯谷の熟女店だったのだけど、彼女は下だけが入れ歯、上

は残っていたんだけど、それでも下の入れ歯を外してのフェラがウケていたとのこと

だ。

 ただ、彼女に会う前、おそらくかなりの若造りの化粧をしているのだろうと思って

いた。だけど、取材場所の事務所に行ってみたら、まだ仕事前で支度中であったとは

いえ、これがぜんぜんノー化粧。髪の毛は腰ぐらいまで伸ばしているのはいいとして、

まるで染めてもないのか、白髪と黒いのが半々ぐらい。それも、何もつけてないのか、

まるでパサパサの髪の毛で、「えっ、これで客をとるの」って思っちゃったくらい。

顔もおそらくファンデーション塗ったりのかなりの若造りしてるんじゃないかと思い

きや、その時はノーメーク。それはいいとして、顔が、肌艶がないのは仕方ないとし

て、亀の甲羅みたいにひび割れみたいのがびっしり。

 でも話を聞いて、撮影をして(顔出しはしてない)、終わったら、「私、指名が入っ

ているので、これから出かけます」って出ていった。

 風俗といえば、かつてはセフティ―ネットになっていたけど、長い経済低迷期を経て、

お茶ひく嬢も珍しくなるなど、今はぜんぜん苦しくなっている。価格の低料金化、コロナ

禍前からだけど、店ごと客が激減して、潰れた店もかなり出てきてたし、12時~オープン

の嬢女デリヘルのママさんが朝清掃のバイトをしてから出勤しているなんて話も聞くよう

になっていた。

  

 80歳で、どこか雇ってくれる仕事もないだろうし、 生きていくためには風俗の仕事を

せざるを得ない女性が、これからかなり増えてくるのではないだろうか。風俗の仕事をや

れている限り、不本位だろうが元気でいるしかない。そういう意味では、ここでの元気な

高齢者という趣旨とは少し違ってしまうけど、それはともかくエールを送るつもりで書き

記しておきました。

 それにしても、高齢ではないけど、風俗にはシングルマザーさんとか、夫のDVから逃れ

て来た人とか、多くいる。かつてのバブルの頃の、フードルとか言われていた時代とは違

って今の風俗嬢は、みんな厳しい日々を送っている人がほとんどだ。もちろん、若い層で

はホストに入れあげたとかあるけど、ある程度の年齢以上の人は、ほとんどが仕方なく風

俗の仕事を始めてと言っていいだろう。

 そういえば、かつでは収入が足りなくて風俗に足を入れた看護婦さんが多かったけど、

今は、圧倒的に介護士が多い時代だ。

                       2024年3月31日

80歳越え元気な医者・歯医者

 個人経営の医院・歯科医などでは、特に定年とかがあるわけではないから、高齢の先生がけっこう
頑張っているみたいだ。診察時間を減らしてはいる人もけど、ずっと患者さんを診てきている関係上、
そういう責任感、張りもあってか、元気な人はほんと元気に医者を続けている。

 もう亡くなってしまって、今は息子さんが継いでやっている、私もずっとお世話になっている歯科
院だけど、そこの先生は92歳まで現役で治療にあたっていた。かつては親子で診療にあたっていて、
先生が高齢になってからは、新規の患者さん、若い患者さんがその高齢の先生の方を指名することは
なくなっていたけど、古くからの馴染の年寄りなどは、その大先生の方でなくてはやだっていう人も
けっこういたのだ。
 中野の住宅街の、やや引っ込んだあたりにある歯科院で、人通りのない、付近の住民でも知らない
人がいるくらい目立たない場所にあったけど、親子ともすごく良心的な人で、治療代なんかは恐縮し
ちゃうくらい安かったし、、治療法も出来るだけ抜歯は避けた方がいいという考えで丁寧でもあった。
 息子さんの方も、今はいい年になって来たけど、歯科技工士もやっているし、近くの小学校の校医
もやっている。ただ、聞いたところによると、今の子供は、虫歯のある子は1クラスに1人いるかい
ないかぐらいで、そっちはもうボランティアみたいなものだと。
 それと余談にはなるけど、マイナ保険証の手続きはしてないみたいで、私もマイナカードは反対だ
からいいんだけど、でもほんとに旧保険証を無効にされたら困ることは困る。何とか廃止に持って行
きたいものだ。(マイナカードに賛同している人、無自覚な人は、まずは堤未果さんの『デジタル・
ファシズム』(NHK出版親書)をぜひ読んでもらいたい)

 私の連れ添いが世話になっている眼科医は、80歳を過ぎた女医さんが一人でやっている。名医との
評判で、今もいつも順番待ちになっているほで繁盛しているみたいだ。私は世話になったことはない
けど、頼まれて薬を受け取りに行ったことがあって、ちらっとその姿を見かけたことはある。元気そ
うだった。というより、贔屓目に見たせいか、溌剌として仕事に取り組んでいるように見えた。

 もう一人、近所の皮膚科の80歳は過ぎている医者。この医院も、診察時間は短めだし、休診日も週
2日はあったと思うけど、医者は一人で取り組んでいる個人経営の院だ。以前に一度だけお世話にな
ったことがある。元気溌剌とした人だった。
 ただ、この皮膚科に行ったのは、連れ添いの助言もあった。以前に連れ添いが救急で世話になった
ことがある国立病院で、私もついでみたいに、それと看護士さんが凄く優しい人だったので、見舞い
がてら皮膚科に行って診てもらったのだけど、診てくれたのは若い女医さんで、口の周りが皮が剥け
やすくなっていて赤く爛れたようになることもあったのだけど、原因は老人何とかだとのことだった。
 若い美人医者から老人と言われてちょっとショックだったんだけど、優しい人で、いくつか目立ち
始めた首下に出来た首イボ?(角質粒)を取れないかと聞いたら、簡単に取れますよって、専用の器
具を持ってきて、先っぽのノズルから何やら液が出てくるのでジュっとやってくれた。痛くも何とも
なく綺麗に取れた。
 そんなことがあったんだけど、その国立センターに行くには電車とバスを乗り継がなければならな
い。それもあって、薬が切れてまた同じ症状が出てきたときに億劫で近所のその皮膚科に行ってみる
ことにしたのだ。そして、まだ少し残っている首ネズミも取ってもらおうっと、その高齢の医者に取
れますかと聞いてみた。簡単に取れるよとのことだったので、頼んだのだけど、机の上に出してきた
のは、ブリキ製みたいなドライアイスが入っている缶。こりゃ何だろうと思っているうち、しばらく
すると、その高齢医者が、その中に突っ込んであったペンチみたいのを取り出した。で、私の身体に
それを近づけて、首ネズミを挟むやギュッと。千切れるまでのその何秒間が、痛かったこと痛かった
こと。ジュっと消し取っちゃう薬品仕様の器具なんてなくて、前近代的なペンチでの作業だったのね。
首ネズミ捕れるというのなら、同じと思っていた私がバカだった。古い病院は、設備も古いままだっ
たのね。もらった薬はどちらも同じものだったので、まあよしと思わねばとは思ったけど。でも、ちょ
びっと後悔した。
 その80歳過ぎの先生も、優しい人だったし、溌剌としていたし、元気もらえたから「まあ、よし」
と慰めてみたのでした。